重慶おもしろ街歩き

重慶マニアおすすめ~2泊3日重慶散策プラン

2泊3日で重慶をアテンドしてきたのでレポートついでにモデルコースとしてご紹介します。夜景クルーズ「両江遊」は洪水のため運休、長江ロープウェイは2時間待ちで断念しましたが、山城重慶を十分満喫出来たと思います。

day1

関西からは直行便がありますが東京からの直行便はないので経由となります。経由便の場合、入国審査は中国の最初の都市となります。

19:30~ホテルチェックイン

関西国際空港からの厦門航空直行便が到着するのが17:10、東京から経由便を利用した場合でも朝出れば同様の時間帯になるでしょう。入国審査、荷物受領を経て空港を出発できるのが18時過ぎとなります。退勤ラッシュの渋滞と重なるため宿を解放碑周辺に取っていた場合は地下鉄で向かったほうが良いです。我々はタクシーで向かいましたが途中から地下鉄に乗り換えました。一方、観音橋のある江北区に宿泊の場合は橋を渡る必要がなく、そこまで酷い渋滞にはならないのでタクシーでも大丈夫です。

この光景を見たら重慶に到着したことを実感するでしょう。重慶のタクシーは「黄色のフェラーリ」と言われており爆速でかっ飛ばします(笑)

重慶江北国際空港

20:00~ラブホ見学

今回宿泊先にラブホテルを指定しようと思いましたが、それは叶わなかったため私が代表して泊まり見学していただくことにしました。参加者の皆様は大興奮でバシバシ写真を撮ってました(笑)。基本的に巨大湯船のあるラブホテルと山歩きを余儀なくされる重慶観光の相性は抜群です。お湯を張りしっかりと足の疲れを癒やしましょう。

重庆慕云思酒店

ラブホテルについてはこちらも御覧ください→重慶ラブホテルのご紹介

20:30~江湖菜と言われる重慶料理

豪快な大皿が重慶料理の特徴で、1人1品×人数が食べ切れる限度となります。6人ならスープを含め多くて6品、5品でも十分お腹いっぱいになります。重慶最初の食事ということで口水鶏・辣子鶏・毛血旺という重慶名物、日本人の大好きな麻婆豆腐、辛いものが苦手な方向けにブロッコリーとエビの炒め、豚足スープの6品をオーダーしました。一番人気は麻婆豆腐、最下位は毛血旺という結果に……重慶に限らず中国の麻婆豆腐は日本と違いしっかり辛い、しかも中国ではメインになりえないおかずですがやはり麻婆豆腐強いですね。

山城老堂口

本来なら夕食をもう少し早めに済ませ夜景クルーズに参加する予定でしたが洪水のため中止、かつこの日は重慶では珍しい豪雨となったため近場でゆっくりしホテルに戻りました。

day2

朝降っていた雨は午前中にはあがり1日を通して曇りでしたが湿度が高く不快指数マックスでした。

8:00~朝食は重慶小麺

重慶人は朝から重慶小麺という重慶版ラーメンを食べています。おすすめは豌雑面というまぜそばで底に調味料が隠れているため天地返しをしぐちゃぐちゃに混ぜて食べます。汁あり・汁なしに関わらず全ての重慶小麺は底に調味料が入っているので必ず混ぜて食べましょう。

花市豌雑面

8:30~長江を渡る

解放碑から徒歩20分

東水門長江大橋を渡って長江対岸まで渡ります。長江沿いの都市としては重慶の他にも武漢や上海がありますが川幅が広すぎるため徒歩で渡るのは重慶がベストでしょう。対岸まで渡るとエレベーターで一気に川沿いの通りまで降りることが出来ます。橋の下には下浩里という「新しくなった老街」があるので見学しても良いでしょう。

東水門長江大橋

9:30~重慶市規画展覧館

東水門大橋下からバス10分

郊外の区部を含めた重慶市全体の概要、将来の都市計画について展示されています。重慶には「重慶中国三峡博物館」もありますがこちらは主に古代から近代まで、「重慶市規画展覧館」は現代から未来が展示されています。領事館では重慶市に視察に来られた議員などにはこちらを案内されるようです。館内には重慶の街並みが描かれていて面白いです。

また隣にはこれまた「新しくなった老街」である弾子石老街があるので見学しても良いでしょう。

重慶市規画展覧館

11:30~重慶市人民大礼堂

重慶市規画展覧館からバス30分

全国の天気予報で重慶市が表示されるときはこの大礼堂が背景に使用されます。北京の天壇に似ており小天壇と呼ばれることもあります。重慶中国三峡博物館とは向かい合っていますが、どちらも写真を撮るだけでよいでしょう。

12:00~中山四路

大礼堂から徒歩10分

防空壕だった大溪沟駅の中を通り、山の麓にある大礼堂から一気にエレベーターで山頂の中山四路へ行きます。山頂の出口を出ると左手に周公館、その奥に政府関係者が利用する霧都酒店があります。一方、右手には花椒珈琲の飲める「85号·创意公馆珈琲厅」で休憩しました。

85号·创意公馆珈琲厅

今はおしゃれなカフェとなっていますが臨時首都時代には特務機関戴笠の公館として隣に住んでいた周恩来を監視していた場所でもあります。ここでは場所だけ確認しておきましょう。周恩来の住んでいた周公館と戴笠公館はたったの120mしか離れていません。更に周公館の裏手は嘉陵江に向かって崖なので踏み込まれたら逃げ場はありません。周公館や戴笠については長くなるので興味がありましたら拙著『重慶マニア』を御覧ください。

その後、蒋介石と毛沢東が双十協定を締結した桂園を参観しました。

13:30~洞亭火鍋

桂園から徒歩15分

防空壕火鍋の老舗中の老舗で夜は並ばないと食べられないため昼火鍋としました。昼から火鍋?と思われるかもしれませんが重慶人は昼でも夜でも火鍋を食べます(笑)。

解放碑周辺にも防空壕を名乗る火鍋店が急増していますが、こちらの洞亭火鍋は1989年から営業している老舗です。

洞亭火鍋

15:30~両路口・菜園壩の探索

洞亭火鍋から徒歩15分

山頂が両路口で、麓が菜園壩です。両路口から階段で降りエスカレーターで戻ってきます。両路口駅直結の古い市場を見学しつつ通過すると建兴坡階段が現れます。重慶北駅ができるまで重慶の表玄関だった重慶駅…到着した旅客はこの階段の両サイドに広がる火鍋屋に圧倒されたものです。重慶駅の再開発に伴い一緒に再開発されるでしょう。

階段を降りたら重慶駅のある菜園壩です。長江沿いのこの辺りは問屋市場が広がっています。重慶駅を眺めたらアジアで二番目に長いエスカレーター皇冠大扶梯で一気に山頂の両路口まで戻ります。皇冠大扶梯は重要な市内交通手段となっており映画『少年の君』でも登場しました。エスカレーターですが運賃2元が必要です。

皇冠大扶梯

16:30~李子壩

3号線両路口→牛角沱で乗り換え→2号線李子坝

モノレールがマンションに突っ込むことで有名な李子壩ですが、反対側の2番出口から出ると防空壕ガソリンスタンドや駅に出入りするモノレールを間近で撮れるスポットがあるのでおすすめです。私は裏李子壩と命名しています(笑)。

防空壕ガソリンスタンド

そのまま坂を下るとモノレール撮影ポイントのある通りに出るのでモノレールが来るのを待って撮影しましょう。このモノレールマンションが話題になったのが2015年くらいですが未だに観光客が押し寄せています。話題が話題を呼び今では老若男女問わず定番の観光コースに成長、団体旗を持ったツアーガイドがいるのが分かります。

撮影が完了したら李子壩駅1階のお土産屋さんも必見です。重慶では近年グッズの販売にも力を入れているようです。モノレールの写真を撮って終わりでは全く儲かりませんからね。重慶は普通の団地・モノレールの駅・崖に建った建物という、そもそも観光地では無いところが観光地となり、入場料収入がないためせめてお土産を買ってもらいたいのでしょう。

モノレール撮影ポイント

17:30~十八梯

2号線「李子坝→较场口」

日本の協力により開通した重慶軌道2号線は嘉陵江沿いを走るため絶景です。終点の較場口駅11番出口が十八梯に直結しています。十八梯は大量の階段で上半城と下半城とを結んでいた街を再開発した「新しくなった老街」です。

十八梯の最上部でなんと化石自販機を発見し購入された方もいました。本物か偽物かなどは野暮なことはどうでも良いのです(笑)

18:00~ホテルで休憩

朝から一日中歩いておりこの時点で2万歩を超え疲労のため休憩しました。

20:00~老四川酒楼で夕食

2日目の夜も懲りずに江湖菜・四川料理を食べました。みなさんの感想は「辛い!火鍋より辛い!」でした(笑)。火鍋はごま油に浸して食べるので麻辣が1回洗われたような状態になるのですが、こういった料理は直接食べるため火鍋より辛いとなりますね。

老四川酒楼は革命文学の代表作と言える羅広斌による『紅岩』にも登場するようです。

老四川酒楼

21:30~洪崖洞

重慶を訪れる観光客が必ず寄るスポットです。解放碑から歩いていくと洪崖洞の最上部11階に到着するため中の商業施設を見つつ撮影スポットの地上まで降りて来ることになります。中国国内では千と千尋のモデルと言われ平日でも人人人。明らかにオーバーツーリズムです。

洪崖洞

23:00~天空橋

洪崖洞を撮影後はそのまま嘉陵江濱江路を西(朝天門ラッフルズとは反対方向)へ直進し高盛創富中心へ。 高盛創富中心22階から天空橋を渡り魁星楼へ出ればそこはもう臨江門・解放碑です。

ショートカットルートであるとともに高盛創富中心22階=魁星楼の屋上=解放碑の地上という極めて重慶らしい立体感を味わえるスポットでもあります。

高盛創富中心

day3

重慶の中心部は山頂の上半城、長江沿いの下半城と分かれるのですが、最終日となるこの日は上半城→下半城→上半城→下半城→上半城と重慶らしく上下に激しく移動していただきました。また、お気付きかもしれませんが1日目の夜・江湖菜、2日目の朝・重慶小麺、昼・火鍋、夜・江湖菜と休むことなく麻辣を食べ続けてきており、本日昼も火鍋が確定していたため朝だけは各自自由に食べていただくことにしました(笑)

9:00~十八梯

前日体力の限界により散策できなかった十八梯からスタートしました。前述の通り再開発した「新しくなった老街」です。十八梯には商業施設の他に防空壕もあります。較場口にある重慶大爆撃惨案遗址(防空壕)と至近距離にあり、防空壕は2500mもあったため当時は繋がっていたのかもしれません。

十八梯

10:00~凱旋路エレベーター

十八梯を下まで降りて解放西路を散策しつつ凱旋路へ向かい、市内交通としてのエレベーターと隣の階段を見学、なかなか趣のある階段なのですが階段での移動希望者はおらず皆エレベーター(1元)で上半城に帰還しました。

凱旋路エレベーター

10:30~文化街ヘアピンカーブ

その後、重慶名物ヘアピンカーブが眺められる天空橋を見学し山の中の都市であることを再確認しました。大阳沟派出所と鑫龙大厦橋を結ぶ橋からはヘアピンが綺麗に見えるのでおすすめです。

ヘアピン鑑賞スポット

11:00~人民公園

24階エレベーター無しの団地を見学するため人民公園という公園の名を冠した階段を下り、再度下半城へ。公園では暑くて毛を刈られた犬が……暑くて苦しそうですね。

重慶人民公園

11:30~白象居

人民公園内部から再度下半城に降りて国民政府外交部跡を眺めつつ24階エレベーター無しの団地・白象居へ。普通に住民が住んでいるため元々は「静かに見学するように」と注意書きがありましたが、お土産屋や休憩処を作るなど完全に観光地に振り切っています。24階エレベーター無しという建物そのものも魅力なのですが、ここから長江ロープウェイとラッフルズの写真が綺麗に撮れるので人気となっています。写真右下また新たに老街を作ってますね(笑)

撮影後は3-4階降りたところの別の出口から出て近所を散策しエレベーターが無くてもなんとかなることを実感していただきました。

白象居

12:00~階段

最後はどことなく香港っぽい階段を登っていただき上半城に戻ってきました。重慶は地形が似ていることから小香港などと言われることがありましたが、GDPで超えたからか最近は言わなくなりました。ここの階段を登ると真っ赤な展望台が開放されている連合国際ビル、その隣に長江ロープウェイ乗り場があるので便利です。なお、重慶ではビルの高さを山を含めて海抜表記するという盛りが行われるのですが連合国際ビルも海抜520mと謳っています。海抜我愛你ですね(笑)

階段

長江ロープウェイは予約制で2時間待ちのため断念しました。外国人はWeChatから予約することが出来ず窓口で予約のため、その時点で最短の時間となります。

スタート地点の十八梯から長江ロープウェイ乗り場までは1駅、歩いても15分ほどですが上下上下上と練り歩いて来たわけです。

13:30~火鍋山

解放碑からタクシー30分

参加者の希望があった一山丸ごと火鍋店という南山枇杷園で火鍋を食べました。枇杷園はギネスに世界最大の火鍋店として認定されています。そもそも火鍋店自体が重慶以外そんなに無いだろとは思いますが(笑)。基本的に野外ですが、2階と最上部の東屋にはエアコンがあります。我々は最上部まで階段を登りました。

南山枇杷園

15:30~朝天門ラッフルズ

枇杷園からタクシー30分

重慶ラッフルズ

重慶のシンボルとなった朝天門ラッフルズですが、屋上を歩けたり、川に向かって空中に投げ出されるブランコがあったりスリリングな体験が出来ます。グッドマークの場所にブランコがあります。ラッフルズショッピングセンター内1階の専用ゲートから一気に250mの47階まで上がります。

注)怪我していたりお酒飲んでいるとこれらのアトラクションは体験できません。

重慶観光全般について

伝統的な観光地である磁器口、コロナ前に多くの観光客が行っていた交通茶館、元々は四川美術学院の壁アートから発展した黄桷坪落書きストリートは近年行く人が減少したようです。磁器口はある意味どこにでもある古鎮ですし何より遠いので十八梯で代用されてそうです。

一方、台頭してきたのが観音橋です。以前は解放碑は観光客、観音橋は重慶人と棲み分けられていましたが、観音橋でも食べ歩きなどが整備され観光地化しました。

観音橋

もう一泊出来るのであれば渝中半島を出て周辺の磁器口・交通茶館・観音橋などに足を伸ばしてみるのも良いと思います。

どこに泊まるか

宿泊については洪崖洞・長江ロープウェイ・十八梯などのスポットが徒歩圏である解放碑が良いです。また山城の高低差を一番味わえるのも解放碑です。

なにを食べるか

火鍋・小麺が重慶の2大名物ですので必ず食べましょう。重慶料理は江湖菜と言われますが四川料理よりも濃厚で豪快なのが売りとなります。食事の際は重慶ビールを頼みましょう。また今回は食べることが出来ませんでしたが重慶万州の焼魚もおすすめです。

day1(夜)火鍋
day2(朝)小麺
day2(昼)江湖菜
day2(夜)火鍋
day3(朝)小麺
day3(昼)焼魚
day3(夜)火鍋
2泊3日で重慶料理を食い尽くす食事例

最後に

今回は乗れなかった夜景クルーズ「両江遊」と長江ロープウェイについて。

重慶の夜景は上海より綺麗と言われることもあるので夜景クルーズは乗りましょう。朝天門埠頭・洪崖洞埠頭の二箇所から出港しますが航路は同じです。チケットは解放碑周辺の至るところにある代理店で購入可能です。19:30頃から22:00まで色々な船が出ています。

また、長江ロープウェイも出来れば乗りたいです。今では想像も付きませんが長江ロープウェイは2014年に地下鉄6号線が開通するまでは解放碑への通勤手段でした。こんなに混むのに通勤なんてと思いますが当時重慶を訪れる観光客はほぼ皆無だったので何も問題なく通勤用として運行されていました(笑)。解放碑(北側)・上新街(南側)のどちらからでも乗れますが往復ではなく片道で良いでしょう。どちらかというと解放碑から上新街へ行く方が混みます。そのため地下鉄で上新街まで行きチケットを購入、待ち時間があるようなら龍門浩老街を見学して時間を潰すのが良いでしょう。